本財団について

理事長挨拶

----- 「顧客」の皆様に価値を実感いただける事業活動を -----

日頃から当財団活動にご理解とご支援を戴いておりますこと、年初にあたり深く感謝を申し上げます。令和も6年目となり、皆様どのように新年を迎えられましたでしょうか。激しく変化する内外の出来事に一喜一憂しながらも、皆様方が健康で希望が持てる明るい年となるよう祈念いたします。

財団が取り扱う公益事業の社会的ニーズは依然として高いものがあります。言うまでもなく財団が重視すべき「顧客」は奨学生と研究者であるという基本的信念のもと、これらの方々が学業や研究に集中出来るよう精一杯の支援を行って参ります。事業を通し、近い将来奨学生の皆さんが社会人になり、又研究者の皆さんが立派な研究成果を生み出し、共に明るい国や社会の形成に寄与する事、これらが私共財団の望むところであります。その為に小規模ながらも、財政基盤の拡充、組織と人材の確保、運営規程類及びツールの整備等を強化しつつ、挑戦的な事業推進を進めて参りました。

私共は両事業が「顧客」の皆さんにとって価値となる取り組みを精力的に行っております。奨学事業においては援助の対象を広げたり、奨学生間の触れ合いの輪を広げる機会を増やしたり、又Web上に卒業生を含めた交流支援の場を作る取り組みを進めています。研究助成事業においても、ここ数年の応募数が減少傾向にあるため、幾つかの大学研究室を訪問し本事業の問題点や要改善点など調査し、更に普段からご支援を頂いている選考委員の先生方にもご助言等を頂き、応募者にとって魅力的な事業活動となるよう検討をいたしました。この4月から始まる新年度においてこれらを事業計画に反映させますので、特に若手研究者や女性研究者の皆さんが積極的に応募をしていただくよう期待いたします。

この3月で本事業年度を終えますが、財団の諸活動は概ね当初計画通り完遂すると考えております。更に4月以降の新年度事業計画案も作成中で、2月の理事会へ提案をする予定です。来年度も多くの奨学生並びに研究者の皆さんと巡り会い交流する喜びを感じたいと希望をしております。

コロナ禍による約3年の混乱は数年のうちに取り戻せますが、我が国が目下苦しんでいる過去20-30年ともいわれる長期停滞は桁違いに甚大であります。国の政治体制を始め経済や社会システム等も残念ながら大きく劣化していると思われ、国力の回復にはみんなの覚悟と努力が求められると考えます。財団は二つの公益事業の充実に一層努め、これらを通して国と社会の回復に微力ながら寄与するよう精一杯取り組みます。引き続き力強いご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

2024年(令和6年)1月
理事長伊藤陽二